准教授
海岸工学(静岡県の災害リスクの低減および海岸環境整備)
私の専門のひとつに海岸工学があります.この学問は多岐にわたります.その理由は,われわれ人間の海岸利用形態が数多くあり,人間と海岸は,様々な形で密接な関りを持っているためです.東西に長く,海岸線長が500kmを超える静岡県では,土地ごとに特徴的な海岸が多く存在しており抱える問題も様々です.それらを,海岸工学の知見や実験的なアプローチからひとつずつ丁寧に,そして根気強く取り組むのがこの学問であり,私の研究内容となります.なお,私は生き物が大好きです.従って,そこに在るべき自然環境への配慮は決して忘れません.
再生可能エネルギー(循環型社会システムの構築)
台風時などの高波を想像してください.ものすごく大きな波が迫りくる様子を連想できますね.また,海岸に打ち寄せられる小さな波を想像してください.絶え間なく続く心地よい波音が連想できますね.われわれは経験的に,大小様々な波がいつも海岸に打ち寄せられている様子を知っています。つまり,波はいつもどこかの海に存在しているのです.これは,太陽からエネルギーを得た地球の活動が止まらない限り続く現象です.その波からエネルギーを得て,循環型の社会システムを構築するのが私の研究内容です.その他にも,海岸に打ち寄せられた流木や地域で集められた刈草などは,利活用されずに大部分はそのまま焼却処分されています.また,海岸線に美しく育つクロマツの落ち葉は,古の日本では各地で着火剤などの目的で使われてきましたが,生活様式の変わった現在では,使われず堆積し,土壌が富栄養化してしまうという問題を抱えています.これらの未利用資源からエネルギーを作る研究も併せて取り組んでいます.