Faculty

教員紹介

教授

中澤 博志

NAKAZAWA HIROSHI

地盤災害のメカニズムを解明し,合理的な設計手法の確立や防災減災対策に役立てる

近年の各種自然災害は極大化の一途を辿っています。特に、地盤や土構造物は、地震、豪雨、津波により被災しやすいことから、破壊に至るメカニズムの把握と対策が重要です。そこで、災害現場における被害調査を行い、室内要素試験や模型実験による地盤挙動の検証と数値解析による被災メカニズムの推定を行います。最終的には被災メカニズムに基づき、地盤の液状化対策、降雨・津波襲来時の斜面・堤防・盛土などの安定性評価を通じ、合理的な設計手法や対策工法の提案を行うことを目的としています。

能登半島地震の液状化被害(左から,マンホールの突出,側方流動による地表面のひび割れ,漁港エプロン部の沈下)

伝統的土木技術「じゃかご」構造物の設計手法確立を通じ利活用を促進する

伝統的な土木技術である”蛇籠(じゃかご)”は、紀元前の中国発祥で日本に伝わった石詰め鉄筋籠の構造物です。開発途上国では河川護岸や道路擁壁など、日本においては,農業土木や仮設構造物として主に利用されています。2015年ネパール・ゴルカ地震被害調査において、中山間地での道路擁壁に使われていた事例から、コンクリートに比べ柔構造であるため、変形しやすい一方、破壊には至らないことがわかっています。このメカニズムを解明することで、開発途上国での利活用推進に資するよう,合理的な設計・施工方法を検討しています。

2015年ネパール・ゴルカ地震被害調査(左から,蛇籠道路擁壁の変状,河川護岸での利用状況,地元小学校での交流)
略歴
  • 2020年 高知大学 客員教授(防災推進センター)
  • 2021年 静岡理工科大学 教授(理工学部土木工学科設置準備室)
  • 2021年 (国研)防災科学技術研究所 客員研究員(地震減災実験研究部門)(2022年まで)
  • 2021年 静岡県地質調査業協会 技術顧問
  • 2021年 静岡理工科大学 副センター長(防災教育センター)
  • 2022年 静岡理工科大学 教授(理工学部土木工学科)
  • 2022年 静岡大学 客員教授(未来の社会インフラデザイン研究所 )
  • 2023年 静岡理工科大学 センター長(防災教育センター)
  • 2024年 現職